TONGARIMARU

五円の滝、インスタレーション、お金、縁起物、美術館

TONGARIMARU とんがりまる

 

金色に輝くカミナリ、それらが風になびく姿は、まるでたわわに実る稲穂を思わせるかもしれません。

稲穂は稲の夫(つま)の意。稲の結実期に多く起こるので、これによって稲が実ると古来より考えられてきました。

日本人はいつの世も自然と対峙し生きてきました。地震、台風、竜巻、雷。多種多様かつ人智を越える強大な力を前にし、そこに何かを感じて来たのでしょう。そしてそれらは厳しさと美しさを併せ持ち、いつも私達のすぐそばにいるのです。

 

今回私は大きな円と大きな三角で作品を構成しました。これは加茂別雷神社で印象的な立砂を表し、立砂を前から観た様子が「△」上から観た様子が「○」です。2つの形が対となって立砂、すなわち背後に鎮座する神山を表現します。三角、円という2つの原初的な形態に一度分解することで、それぞれのカタチの持つ力を借りました。もう一つの幾何形体、「□」四角は鳥居の中にあります。

私達はある1点てそれら3つの形をみることができます。物事は複雑そうでいて実は単純で、じっくりと思い返し、探り直す事で見えてくるのではないでしょうか。そういう時間が必要であり、得られるのが神社であるのかもしれません。

 

これらを作るとき、そこに高級な素材はいらないと考えました。本来よりしろとは、一本の木であったり、岩であったり、鏡や剣であったりするわけですが、それが高級である必要はないのです。そして神社とはそういった高級品が並ぶ場所でもない。大切な事はその「場」自体が何かしらの力を感じさせる。他の場所と区別化された場だということです。宗教学者のミルチャ・エリアーデは聖と俗に関する著書の中で、聖なる空間とは大きな限りない空間の内部にある一つの特別な領域であると定義しています。神社はまさにこの特別な領域なのです。現代社会におきて見失われがちなこの特別な空間意識。ここには「なにごと」かがいるのかもしれません。そんな「なにごと」の気配を感じた瞬間、少し怖くなる反面、見守られているかのような気にもなります。

[TONGARIMARU]とんがりまる
2013
木、ミラーフィルム、プラダン、塗料
サイズ可変

協賛 島村運輸倉庫株式会社、ターナー色彩株式会社

協力 ヤマモトアスカ、四宮優、池田遙、藤村純、森村慎

 
加茂別雷神社(上賀茂陣神社)世界文化遺産
よりしろプロジェクト2013